ハタマド マドカラヒカリ

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秦のおもしろ起業話⑸

起業のおもしろ話

3年の月日が流れ・・

春から夏、夏から秋へ、そして冬へと・・、季節は過ぎ行き、月日は流れ、毎日毎日仕事をし続けて気づいたとき3年がたっていました。最初はかなりめちゃくちゃなところから始まった仕事も、さすがに1日3、4件を経験し続けると、ものすごい数をこなし、たくさんの失敗も、成功も経験し、一人前に近づいていけました。
仕入れ、発注、採寸、様々な計算に、経験値からの知識等、仕事をするのに一通りを身につけれたかな〜・・・という頃。
突然会社の上司に呼ばれました。「秦さん、社員じゃなくて外注になってくれないかしら?」と言わたのです。これはつまり「あなたには辞めてほしい」という事でした。社長の言うようにコーディネートだけで納まることもできず、自分のやれる範囲を模索し続けられても、社長としては面白くなかったのかもしれません。「仕事やっているのに、、なんでですか?」と上司に理由を聞いたところ、「社長がね、東京オフィスの皆が秦さん、秦さんって言って、自分の言う事聞かないから嫌なんだって」
実はこの前から、かなり私への嫌がらせが続いていました。それがとうとうハッキリしてしまいました。会社の本部の上司、社長含め話あいになりましたが、以前の会社G以上に卑怯だなと思うことばかりでした。話合いは録音もし、突然の解雇ということを目の当たりにし、自分の中では次の段階に向けて準備するよりありませんでした。

お別れ、そして出発・・。

私はこの会社を出ていくことにしました。一通り仕事はできるようになりましたが、確かに他人のつくった会社です。人のつくった土俵の上で仕事をもらい、お給料をいただき、経験を積ませていただき、いつまでも自由にできるなんて甘いかなと思います。その時はまだ、独立するには自信がありませんでしたが、しょうがありません。自分が自分の仕事場をつくらなきゃいけない、その時が来たんだと感じ、会社を辞めることに決めたのです。

今でも覚えていますが、会社の人に挨拶し、最後のお別れをして、会社の扉を閉めました。フッとこころの中を不安がよぎり、歩き出した瞬間、後からブワッと風が吹き背中を押してくれたように感じました。桜吹雪がサーッと勢いよく舞い、「いってらっしゃーい!!」と言われたような気がしたんです。もしかしたら、やれる、私。とその時感じました。2009年の春でした。

大変な出発!

最初はですね、本当に大変だったんです。でも大変だと認識できるほど、それすら余裕はなく、今思うとただただ必死でした。起業するにしても、資金はほぼゼロ。それどころか、今月末には家賃も払わなきゃいけない、生活費も様々なお金を稼いでいかないといけないそんな切迫した状況でした。仕方がないので近所の歩いていける中華屋さんでバイトをしながら、起業の準備をし始めることにしました。自分が思った以上に、会社をいきなり辞めさせられる、辞めるという事は当時の自分にはシビアな現実でした。
そんなちょっとしたバイトで、東京での生活費がまかなえるはずもなく、あちこちのカード会社から電話がかかってきたり、そして以前の裁判で決着がついたほうの支払いも滞り、毎日毎日催促の電話などがじゃんじゃん掛かってくるようになりました。
電話してきたカード会社の人に思わず言った自分のこの言葉で、ハッとしたんです「私が単に悪いんじゃないんです!会社に不当解雇されたから会社の責任もあるんです!だからちゃんと話つけますので、ちょっと待ってください!」これって逆切れのようですが、言った瞬間「あ、そうか!」と自分で納得してしまいました。

再び裁判所へ!

そんなとき、すごいタイミングで分厚い書類が自宅に届きます。ある人から、私が会社にいたときの就労記録が分厚い書類で送られてきたのです。「秦さん、あなたは前の会社ですごく残業してます。残業代の請求できるの知ってます?」これはまだ「ある人」としか言えませんが、私にとって天の助けでした。
私の残業代は計算すると250万円近くになっていたようです。今のこのすごいタイミングで、そんなきっかけが来るなんて!突然仕事を辞めなきゃいけなくなったのもありますが、確かにその分自分が会社にした売り上げと貢献を考えると、言うべきことは言う。それくらいはいいんじゃないかと思い、そして再び裁判所のお世話になることになりました。起業といってもすぐ仕事があるわけでもなく、時間ばかりあったので、しっかりこの問題に取り組むことにしました。そして裁判所では、私が録音していた会話の内容、残業の資料が役に立ち、自分が丸裸で放り出されるということにならなくて済んだのです。全額ではありませんが、残業代が支払われ、社長の悔しがるお顔も拝見でき(スイマセン)、会社内だけでの一方的な会話ではなく、公の場で私の解雇が不当であることなども公で判断され、聞いていただけたことは心の負担がとても軽くなった本当によい経験となりました。

区切りがつけば、さて、再スタートです。
起業するその中身と実力はほぼつきました。全くないのはお金です。残業代はローンにあて、完全にプラスマイナスゼロ!!

完全に、完璧に、「ゼロ」スタートとなりました。

綺麗な全くのゼロ円スタートです(笑)


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