ハタマド マドカラヒカリ

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若かりし頃の、父の思い出

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なぜだかわかりませんが、ふと、さっき、子供の頃のある一時を思い出しました。 私が幼稚園に入ったばかりだったので、4歳か5歳のころです。 雪がたくさん降り積もり、大人の胸の高さほども降り積もっているというのに、 私はなぜか、幼稚園のブランコに乗りたくてたまらず、父に『お父さん、ブランコ乗りたいの・・』とせがんでせがんだのです。 幼稚園まで歩いても15分くらいでしょうか。 父はシャベルを持って、幼稚園に連れていってくれました。 雪に埋もったブランコ。 その雪をシャベルでかき、ブランコが乗れるくらいまで、誰もいない幼稚園のグランドで雪をかいてくれました。 子供ごころに、なんとも申し訳ない気持ちになったのを覚えています。 雪の中、父が見守るなか、ブランコに乗りました。やっぱりブランコに乗る楽しさよりも、父に申し訳なくなり、ちょっと乗って、『もういい。帰る。』と言ったら、父は『もういいの?』と言いました。 雪のなか、手をつないで帰ったのを覚えています。 なぜだかわからないのですが、その時のことを思い出し、『お父さん・・』と言うと、突然泣けてしょうがない自分がいます。 もう30年も前。父もその頃は30歳くらい。今の私より若かったのです。 父は、覚えているでしょうか? わかりませんが、今度聞いてみようかと思っています。 Mihoko Hata

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